1:ディベートの定義
ディベートと聞くと何をイメージしますか?
テレビの討論番組、裁判、科学論争…。
ディベートは多くの意味を含んだ言葉です。
カタカナで表現されていることからわかるように、debateは英語です。
そこで英語の辞典を引いてみると、次のように書かれています。
「a formal discussion of a particular problem, subject etc in which people express different opinions, and sometimes vote on them」
– オンライン版ロングマン現代英英辞典(https://www.ldoceonline.com/jp/dictionary/debate)
(訳:公の特定の問題について、立場が異なる人が意見を表明しあい(議論をし)、その議論について投票されることがある)
これがディベートという言葉の定義になります。
ポイントは、議論をされた後に、評価をされることです。
つまり、単純に意見を両者で表明しあうだけではなく、その議論を聞いていた第三者に議論について評価をされるため、所謂、口喧嘩のように、相手を論破することを目的として行われるのではなく、議論を聞いている第三者を説得することを目的として議論をします。
2:ディベートの種類
そして、ディベートはいくつかの種類に分けることができます。グループ分けをしてみてみましょう。
まず、はじめに大きな切り分けとして、
・実社会ディベート
・教育ディベート
の二つがあります。
実社会ディベートは名前の通り、実社会において行われるディベートのことです。
例えば、政策論争(アメリカの大統領選前のテレビ論争)、裁判等です。
それに対して、教育ディベートとは、実社会ディベートの練習のために実施されるディベートです。
言い換えれば、実社会で行う議論をより豊かにするために、議論の練習として行われるディベートになります。
教育効果を高めるため、一定のルールを定め、ある種のゲームとして行われることから、
別名「競技ディベート」と呼ばれることもあります。
実際に、全世界で多くの「競技ディベート」の大会が開催されています。
3:様々な競技ディベート
競技ディベートもルールの違いから大きく2種類の競技ディベートが存在しています。
・即興型(パーラメンタリーディベート)
・調査型(アカデミックディベート)
即興型ディベートは論題が発表されてから20~30分後に試合を実施するような形式のディベートです。自身の豊富な知識や教養を用いて議論をし、いかに聴衆を引き付けるスピーチをすることが勝負になります。
調査型ディベートは論題が発表されてから1ヶ月以上、資料を調査し、試合中でもその資料を用いて議論をする形式のディベートです。いかに内容が深い証拠資料を収集し、それを組み立てて議論をするかが鍵となるディベートです。
このように、即興型ディベートと調査型ディベートでは共通するところもありますが、大きく異なる部分があり得られる教育効果にも違いがあることが分かっています。それぞれの特質にあった実践によって得られる教育効果も変わってきます。
また、競技のルールの違いとは別に、日本語、英語というスピーチをする言語の違いも存在しています。
一言に「競技ディベート」といっても多種多様なディベートが存在しているわけです。
CDSでは、日本語の即興型ディベートを取り扱っています。詳しくは「日本語即興ディベートとは?」で詳しく説明していきます。